2-c.電気・測定(電気)機器の取扱いと安全管理

・医療機器の電源部からはわずかな電流が漏れている(漏れ電流)。この漏れ電流が人体に流れ込むと、電撃ショックを受けるため危険である。医療用電気機器の安全性の確認と感電防止のための設置条件を確認することが必要である。

  1. 感電防止
    1. 漏れ電流の接地による放散
    2. 多数機器使用では室内機器の一点接地(等電位接地)を施し、機器間の電位を(EPRシステム;equipotential patient reference system)にする
    3. 等電位は電位差ゼロ、その程度は10mV以下
  2. 接地条件
    1. 鉄骨、鉄筋コンクリート造りの建物には、銅鋼棒を用いる
    2. (1)以外は600Vのビニール絶縁線を用いる
    3. 接地抵抗は基本的に10オーム以下
  3. 非常電源の接地
    1. 電源停止時、40秒以内に自家発電設備で対応
    2. 特に、手術室、ICU, CCU、など

感電

  1. ミクロショック(microshock):漏れ電流が直接心臓に流れて起こる感電
    1. 発生要因;電極などの絶縁不良や医療機器本体と患者間に電位差が有る時
      • 100μA程度で発生
      • 医療機器からの漏れ電流許容量は10μA以下
    2. ミクロショックで発生する心室細動防止
  2. マクロショック(macroshock):漏れ電流の皮膚を介した感電
    1. 発生要因;接地不十分
      • 機器、絶縁の不備、不良
      • 医療機器からの漏れ電流許容量は100μA以下
    2. 電流量とマクロショック
      電流量影響(成人男子;女性は2/3、小児は1/2の電流量)
      1mA最小感知電流
      5mA最大許容電流
      10~20mA 筋肉の持続収縮の発生、さらに硬直
      50mA 心臓、呼吸器の興奮、激痛、気絶