集合論問題集
2
集合
,
を集合とする。
(1)
であることの定義を書け。
(2)
であることの定義を書け。
(3)
であることの定義を書け。
(4)
であることの定義を書け。
(5)
の定義を書け。
-
(1)
「
かつ
」
(2)
「
または
」
(3)
「
ならば
」
(4)
「
かつ
」
(5)
定義はきちんと覚えること。定義を知らないとなにもできない。
は
と書かれることも多い。
,
であるとき、
,
をそれぞれ求めよ。
-
,
.
を
の倍数全体の集合、
を
の倍数全体の集合とする。このとき
を決定せよ。
-
は
の倍数全体の集合。
かつ
であるならば、
であることを示せ。
-
とする。このとき、
または
である。
のとき
より
であり、
のとき
より
である。よって、いずれの場合も
である。以上より
かつ
ならば
が成り立つ。
を集合とする。
、
を示せ。
-
の証明
「
」は、
が偽なので、真である。よって
である。
命題「
」は「
かつ
」と同値で、
が偽なので、偽である。よって命題 「
」は真となり
である。
よって
である。
の証明
とする。このとき「
または
」は真となり
である。よって
で ある。
とする。
または
である。
は偽であるから
となる。よって
である。
以上より
である。
集合族
を考える。ただし
は集合
の部分集合とし、補集合は
で考えることにする。
(1)
の定義を書け。
(2)
(De Morgan の法則) を証明せよ。
-
(1) ある
が存在して
である。
(2)
とする。 (1) の否定に注意すれば「任意の
に対して
」である。したがっ て「任意の
に対して
」となり
である。よって
となる。
とする。「任意の
に対して
」、すなわち「任意の
に対して
」である。この否定は「ある
が存在して
」であるから、
とな る。これにより
となる。
よって
となる。
とする。補集合は
で考えることにして以下を証明せよ。
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
-
(1)
とする。このとき
なので
である。よって
となる。
で
とする。
である。これは
または
ということで ある。しかし
なので
となる。したがって
である。
以上を併せて
である。
(2)
とする。
または
である。仮定より
だから
ならば
で ある。したがって、
である。
が成り立つ。
一般に
は成り立つので
である。
(3)
とする。
または
である。
が全体集合なので
,
である。 したがって
である。
となる。
とする。
または
なので
である。
となる。
以上より
が成り立つ。
(4)
を任意にとる。
と仮定する。このとき「
かつ
」であり、これは「
かつ
」と同値である。一般に命題
に対して
は偽であるから、「
かつ
」は偽である。よっ て、
である。したがって
である。
(5)
とする。
である。全体集合を
としているので
である。これは矛盾である。したがって
である。両辺の補集合をとって
である。
を示せ。ただし
,
は集合
の部分集合とし、補集合は
で考えることにする。
-
とする。
である。したがって、
かつ
となり、
であ る。
とする。
かつ
である。すなわち
かつ
だから
となる。したがって、
である。
以上より
である。
を示せ。ただし
,
は集合
の部分集合とし、補集合は
で考えることにする。
-
問
8
より、
であるから、両辺の補集合をとって
で ある。
ならば
であることを証明せよ。ただし
,
,
は集合
の部分集合とし、補集合は
で考えることにする。
-
とする。 問
7
(3) より
または
である。
のとき
であり、仮定
より
となる。したがって
または
である。したがって
である。
かつ
であるならば、
であることを証明せよ。
-
とし
となることを示す。
なので
または
である。
と すれば
であるから
である。よっていずれの場合も
となり
である。
同様に
も示され
となる。
集合
の部分集合
について
であることと
であることは同値であることを示せ。
-
と仮定する。
とする。条件より
だから
、すなわち
。よって
である。
とする。
は空集合の定義から成り立つので
、すなわち
を示す。
とすると
なので
となり、これは矛盾である。よって
である。
直積集合
とは何か。その定義を書け。
-
,
であるとき
の元をすべて書け。ただし
とする。
-
という集合のべき集合
を具体的に書け。ただし
,
,
とする。
-
には
個の元があるので
で
個部分集合が存在します。
自然数
に対して
とおく。
(1)
を求め、それが正しいことを証明せよ。
(2)
を求め、それが正しいことを証明せよ。
-
(1)
任意の
は
の部分集合だから、
である。
とする。
だから、
である。したがって
となる。よって
となる。
以上から
が成り立つ。
(2)
任意の
に対して、
より、
である。よって
である。
次に
を対偶によって示す。
について
、すなわち、ある
に対して
をいえばよい。
なので
である。よって
ならば
である。
以上から、
が成り立つ。 (対偶を使わない
の証明)
とする。任意の
に対して
であるから、特に
である。よって
であ り
である。したがって
となる。
とする。
が無限集合であることを論理記号を使って特徴付けよ。
-
自然数
で添字付けられた集合の族
に対して
とおく。このとき次を示せ。
(1)
は無数に多くの
に含まれる元の全体である。
(2)
はある番号以上のすべての
に含まれる元の全体である。
(3)
ならば
であるとする。このとき
であることを示せ。
-
(1)
とおく。 無数に多くの
に含まれる元の全体からなる集合を
とおく。
ということは、「
となる
が有限個しかない」ということで、これは「ある
が存在して
ならば
」という ことである。論理記号で書けば「
」である。
はその否定であるか ら、「
」である。
を示す。
とする。
を任意に取り固定する。
の定義より
である。よっ て、ある
があって
である。上記の考察から
となる 。したがって
である。
とする。
を任意に取り固定する。このとき
を示せばよい。
であるから、 上記の考察から、ある
があって
である。このとき
である。 よって
である。したがって
である。
以上より
である。
(2)
とおく。ある番号以上のすべての
に含まれる元の全体からなる集合を
とおく。
を示 す。
とする。このとき、ある
があって
である。したがって、
なる 任意の
に対して
であり、よって
である。したがって
である。
とする。
の定義より、ある
があって
ならば
である。したがって
である。よって
である。
以上より
である。
(3)
,
は (1), (2) で定めたものとする。
を示す。
とする。
を取って固定する。
の定義により
である。よって、あ る
があって
となるが、仮定より
なので
である。したがって、任意 の
について
となる。よって
である。したがって
で ある。
とする。
を任意に取り固定する。
の定義により、 ある
があって
である。よって
なる任意の
に対して
で ある。
とおく。
より
である。また
と仮定により
で ある。更に
である。よって
となる。
は任意に取って固定したものだったから
である。
が成り立つ。
以上より
である。