の体
の任意の二元
に対して
が成り立つことを示せ。
であるが、
のとき
なので主張が成り立つ。
を標数
の有限体とする。写像
(
) は全単射であることを示せ。
とする。
である。
ならば
である。
ならば
は奇数なので
である。
よっていずれの場合も
となる。
は体なので
、すなわち
となる。よって
は単 射である。
なので
から
への単射
は全単射である。
の有限体
を構成し、その加法と乗法に関する演算表を書け。
は
上
次元ベクトル空間の構造をもつので、その基底を
とする。このとき
である。また
の乗法群
は位数
の群になるので、それは巡回群である。以上より、以下の演算表を得る。
(一般に有限体
の乗法群
は素数位数でなくても巡回群になる。)
を体とし
(
) を
次の
係数多項式とする。このとき
となる
は高々
個 であることを示せ。 (
となる
を
の根という。)
すなわち
が
でない定数ならば根はないので、主張は正しい。
を
次 以上の次数の多項式とする。
が根・もたなければ主張は成り立つので、
は根
をもつとする。因数定理により
と書けて
の次数は
である。
がやはり
の根であるとすると、
である。
と
が体、よって整域であることにより
である。したがって
の根は
であるか、または
の根である。帰納法の仮定により
の根は高々
個なので、
の根は高々
個である。
(
が多項式
の根であることと
となる多項式
が存在することは同値である。これを因数定理という。)
を体とし、
を
係数多項式とする。
に対して
とおいて、これを
の形式的な微分という。
は成り立つことを示せ。
が重根
をもつことと
となることが同値であることを示せ。ただし
が
の 重根であるとは、多項式
が存在して
と書けることとする。
,
(
) となること、は計算によってすぐに確かめることができる。
単項式の積
に つ い て 示 す。
であり、また
なので、この場合 には
は成り立つ。
一般の場合を考える。
,
とする。
が
の重根であるとすると
と書ける。このとき
なので
である。
と仮定する。因数定理より
と書ける。
より
である。よって因数定理より
と書くことができ、
は
の重根である。
を体とする。写像
が多項式写像であるとは、ある
係数多項式
が存在して、任意の
に対して
となることとする。
が有限体であるとき、任意の写像
は多項式写像であることを示せ。
の元数を
とする。
から
への写像は
個ある。一方で、
次以下の多項式も
個あるので、これらがすべて写像として異なることをいえばよい。
,
を
次以下の多項式とし、
から
への写像として等しいと仮定する。このとき
も
次以下の多項式であって、
の任意の元が
の根になる。
ならば、問
4 によっ てその根の数は高々
個であり、これは矛盾である。よって
、すなわち
となる。
(多項式
は
のすべての元を根にもち、写像としては
と等しくなる。)
上の二つの多項式で、多項式としては異なり、等しい多項式写像を定めるものを具体的に一つ答えよ。
を根にもつ次数最小で最高次係数が
の有理数係数多項式を求めよ。
とおく。
,
,
はいずれも
上一次独立であることが簡単に分かり、したがって
は
次以下の多項式の根にはならない。
次式については
が成り立つことが分かるので、求める多項式は
である。
(
の根は
である。)
とおく。
は通常の演算で体であることを示せ。
が通常の和、差、積で閉じていること、すなわち
の部分環であることは明らかである。したがって
が逆元をもつことを示せばよい。もちろん
は
では逆元をもち、それは
も
の元であり、したがって
は体である。
(同様にして、一般に
(
) も体であることが分かる。)
を整域とし
の部分集合
は
,
ならば
を
の積閉集合という。直積集合
に
のときに
として 関係
を定める。
は同値関係であることを示せ。
を含む
による同値類を
と書くことにする。また同値類全体の集合を
と書く。
に加法と乗法を
は環の構造をもつ。これを
の
による商環という。特に
として
をとれば、 これは積閉集合である。このときの商環
は体であることを示せ。 (この体を整域
の商体という。)
のとき、その商体は何かを考えよ。
かつ
と仮定する。このとき
,
である。したがって
である。ここで
より
で、 かつ
が整域なので
となる。よって
が成り立つ。
,
と仮定する。仮定より
,
が成り立っている。したがって
が成り立つ。よって和は矛盾なく定義される。また
よ り
であり、積も矛盾なく定義される。
であ り
であるから結合法則 は成り立つ。
で あるから結合法則は成り立つ。
こ こ で
が整域で
,
であるから
となる。
の零元は
であり、単位元は
であることに注意しておく。
とすると
,
である。よって
となり
となる。したがって
でない任意の元が正則元となり
は体である。
の商体は有理数体
である。
上の一変数多項式環
はまた整域であることを示せ。
上の
変数多項式環
は整域であることを示せ。
,
とし、
,
と仮定する。係数が
である項を略 して
,
と仮定してよい。このとき
であり、特に
の係数は
である。
,
で
が整域であることにより
である。よって
である。
に関する帰納法で示す。
のときは (1) である。
とする。
は
上一変数多項式環
と見ることができる。帰納法の仮定から
は整域であるから (5) より
も整域である。
を体とする。
上の一変数多項式環
は単項イデアル整域 (§3 問
17 参照) であることを示せ。
に対して
とおくと、
は
のイデアルであることを示せ。
に対して
となる
が存在する。最高次係数で割って
の最高次係数は
であると仮定してよい。このとき
を
と
の最大公約元といい、
と書くことにする。
,
とするとき
であることを示せ。
を
の
でないイデアルとする。
の
でない元で、次数最小のものを
とする。 (
は 一意的ではないが、その一つをとり固定する。)
とする。多項式の割り算を考えれば
が存在する。ここで
となるので、
の次数の 最小性から
である。したがって
である。よって
となる。一方で
なので
は明らかに成り立ち
となる。したがって
は単項イデアルで ある。
問11 より
は整域なので
は単項イデアル整域である。
,
とする。
,
となる
が存在する。このとき
は
のイデアルである。
を示せば十分であ る。
,
であるから
が成り立つ。 また
,
より
が成り立つ。よって
である。
を体とする。
を既約な多項式とする。このとき
は体であることを示せ。
は本質的に
(問
9
参照) と同じ体であることを示せ。 (本質的に同じ体であるとは、集合とし ての全単射で、和と積を保つものが存在することをいうこととする。このとき二つの体は同型であるという。)
による
の像を
と書くことにする。
に注意すれば、任意の
は
(
) と一意的に表されることが分かる。このとき
を
と定めれば、これは全単射である。
が和を保存することはすぐに分かる。また
(元数
の有限体) とする。
上の既約な
次多項式
を見付けよ。
は本質的に問
3 の体
と同じ体であることを示せ。