断りのない限り、環は単位元をもつとは仮定しない。
よって が の零因子であるための必要十分条件は となることである。
よって が写像であるための必要十分条件は が の約数であることである。
これにより (4) の全単射で の正則元と対応するのは、 の元で の正則元と の正則元 を組み合わせたものであり、かつそのようなものに限る。したがってその個数について が成り立つ。
とし とおく。 の倍数 に対して とおくと、 であることと であることは同値である。よって に含まれる元の数は の元で と 互いに素なものの数、すなわち に等しい。
が の約数すべてを動けば も の約数すべてを動くことに注意すれば が得られる。
( を を動かして順に で割ってみる。)
とする。ある があって , である。このとき となる。
, とする。ある があって である。このとき である。
よって は のイデアルである。
, とする。 ( , , ) と書くことができる。このとき
よって は のイデアルである。
であることがすぐに分かる。
とかくと はべき零で である。 とおけば であるから が の逆元となり、 は正則である。
(任意の自然数 に対して、この問題と同様の方法で の部分環が定義される。)
の三つである。 が と の両方に含まれることは明らかなので、残りの二つを示す。
, とする。 が右イデアルであるから , である。また が右イデアルであるか ら , である。したがって , となり は右イデアルである。
を と の両方に含まれる右イデアルとする。 かつ なので である。
任意の に対して、 である。よって である。 も同様に示される。
, とする。ある , があって , となる。このとき
を と の両方を含む右イデアルとする。 とすれば、ある , があって である。このとき , なので である。よって が成り立つ。
定義により であることは明らかである。したがって であることを示せばよい。 の定義か ら、ある があって である。このとき ( は奇数) と書くことができる。 ここで となるので である。したがって であることが分かった。
以上より のイデアルは と ( ) である。
以上より は環になる。