距離空間論 演習問題 第7回
問題 1.
写像
と
に対し
であることを確かめよ。
解答:
二つの集合が等しいことを示すのだから
を示せばよい。これには、逆像と写像の合成の定義を用いるだけ:
問題 2.
写像
を
で定義する。
(a)
に対し
を示せ。
(b) 任意の
に対し
とおく。任意の
に対し
であることを確かめることにより、
が一様連続であることを示せ。
解答:
(a)これは (b) のためのヒントなので省略。
(b)
とおくと、任意の
に対し
よって(a)を用いて
を得る。同様に
が示され
が分かる。よって
であり、
は
に無関係であるから一様連続である。
問題 3.
写像
を
で定義すると一様連続ではないことを示せ。
解答:
背理法で示す。
が一様連続であると仮定すると、任意の
に対し
s.t. 任意の
に対し
が成り立つ。
は任意だから
と取る。このとき、任意の
に対 し
が成り立つ
が存在するはずである。 そこで
となる自然数
をとり
とする。また
とす ると
が成り立っている。ところが
であり
に矛盾。
よって
は一様連続ではない。
問題 4.
連続写像
と定数
に対し
で定義される写像
は全て連続であることを示せ。
解答:
の場合
:
をとり
が
で連続であることを示す。
と
の連続 性より、任意の
に対し
となる
が存在する。このとき
とおくと
よって
に対し
である。これで
が連続であることが示された。
の場合:
まず
の場合を考える。
の連続性より、任意の
に対し
となる
が存在する。このとき
であり、
は
で連続になる。
の場合、
は
となる定値写像であり、常に
となる。よってどんな
をとってもよく、連続になる。
の場合:
任意の
に対し
とおく。
と
の連続性から
となる
が存在する。このとき
とおくと
に 対し
となる。よって
となる。