距離空間論 演習問題 第4回
問題 1.
に対し次を示せ:
解答:
まず内部を考えよう。集合の等式を示すのだから
を示す。
なら
である。
より
となる。これは
ということ。よって
となり、
、よって
である。
逆に
とする、つまり
とする。
とおくと
であり、
だから
よって
となる。これで
が示され、
が証明された。
外部は、内部とほとんど同じなので省略。
内部と外部が分かれば、境界は分かる:
問題 2:
について、その内部、外部、境界は何になるか?
解答:
問題 1のようにやってもよいが、以下のようにすると楽である。
より
となる。ここで
だから
となる。
同様に
が示せる。
よって
である。
問題 3.
に対し次を示せ:
また
である例を挙げよ。
解答:
まず
より
となる。よって
である。
例としては
がある。
問題 4.
と
に対し
とする。このとき次を示せ:
解答:
外部について考える。
ならば
すなわち
である。言い替えると
となる。ここで
とおくと
であり
だから
が成り立つはずである。よって
より
となり
つまり
が示された。
逆に
のとき
とすると
であり
となることが分かる。よって
が言えた。
と合わせて
となる。
問題 5.
とする。このとき
の内部、外部、境界を求めよ。
解答:
答えは以下のようになる。「かつ」と「または」に注意すること:
証明は省略。
問題 6.
の内部、外部、境界は何か?
解答:
答えは以下のようになる:
証明は以下の通り。
であるから, 任意の
が内点であることを示す。
より
とおくと
であり
となる。よって
は
の内点である。同様に
が示せる。よって
である。
問題 7:
に対し一点から成る集合
の内部、外部、境界は何か?
解答:
答えは以下のようになる:
証明は以下の通り。まず
に対し
であるから
の内点は存在しない。よって
である。また
であるが、任意の
に対し
とおくと
となる。よって
となり
である。以上のことより
となる。
問題 8:
有理数の集合
に対し次を確かめよ:
解答:
任意の
と
に対し
となる
が存在する。よって
となる
は存在しない。つまり
の内点は存在しない。よって
である。同様の理由で
となる。よって
となる。
問題 9:
空集合の内部、外部、境界は何か?
解答:
で考える。答えは以下のようになる:
証明は以下の通り。まず一般に
であるから,
とすると
である。これは
であることを意味する。次に
であるが,
の点は全て内点であり
, よって
である。よって
となる。