距離空間論 演習問題 第2回
問題 1.
2つの写像
に対し次を示せ
(a)
が全射
が全射
(b)
が単射
が単射
解答:
(a)
が全射ならば
である。ここで
より
であり
となる。ところが
であるから
となる。
(b)
が単射であることを示すために
と仮定する 。両辺を
で写して
となるが
が単射であることより
となる。これで
が単射であることが示された。
問題 2.
写像
に対し次が成り立つことを確かめよ:
(a)
、より一般に
(b)
、より一般に
(c)
、 より 一 般 に
(d)
、 より 一 般 に
(e)
解答:
一般の場合を示す。
(a)
(b)
(c)
(d)
(e)
問題 3.
とならない写像
の例を挙げよ。また
が単射ならば、常に
であることを示せ。
解答:
基本的に
であるが
である例を見つければよい。 ほとんどの人が例は有限集合で考えてくれていたが、高校のときによく使った
次関数を使うと以下のような例がある: 写像
を
で定義する。
に 対 し
だから
であるが
である 。
が単射であるときの証明は以下の通り: 問題 2(c)で
が示されているので
を示せばよい。
このとき
であるから、
が単射であることより
となる。これを
とおくと 、
となり
となる。よって
である。
問題 4:
とならない写像
の例を挙げよ。また
が単射ならば、常に
であることを示せ。
解答 :
これも
次関数の例を挙げる。問題 3と同じ関数
に対し、
とおくと
である。
が単射であることの証明は以下の通り: 問題 2(e)より
であることは分っているので
を示せばよい。
ここで
が単射だから
、よって
となる。よって
が示された。
問題 5:
写像
と
と
に対し次を示せ :
解答 :