化学分析実験など実験・実習を効果的に、かつ安全におこなうためには、 基本的なことを知識として学ぶとともに、以下のことがらに注意を払う必要がある。
実験・実習にのぞむ態度。 実験・実習は真剣な態度で行い、うわつかず、はしゃがないこと。 授業時間が始まっても、休み時間の気分でいつまでもはしゃいでいると、教員の注意も聞き漏らし、事故の原因となる。 (実習の際はしゃぐことは、野外実習においてよく見られる。 以前、野外実習の帰りに林道を車で下るとき、蛾が車内にはいってきたため騒ぎがおこり、 運転手が気をとられて運転をあやまり、林道から転落した事故があった。)
身支度を整えること。化学分析実験の際、白衣を必ずきること。 白衣を着用することは、危険な薬品から体を保護するという実利面だけでなく、 今は実験に携わっているという気持ちにするためにも、必要なことである。 しかし、装置の調整・修理を必要とする物理実験では、白衣よりもむしろジャンパーのような動きやすい服装の方がよい。
使用する薬品の性質をMSDS(Material Safety Data Sheet、化学物質安全データシート)などで調べ、知識を豊富にしておくこと。 MSDSは薬品会社のホームページにアクセスすると得ることができる。 薬品に関する知識を豊富にすることが、化学実験における事故を未然に防ぐためのキーポイントである。
参考読本として、兵頭申一著「科学実験法」1997、(放送大学教材)の「10章危険の防止」を添付したので、一読していただきたい。