比色分析(チタン石中のTiの吸光光度分析)

吸光光度分析の方法・原理

試料を溶液にして、適当な物質を加えて、その物質固有の色に発色させる。 発色した溶液を、セルとよばれる柱状の容器にいれ、そこに可視光を通過させ、 試料溶液中の目的物質による特定波長の吸収(吸光)度を測定する。 未知試料とは別に、目的物質の濃度が既知でかつ濃度の異なった数個の標準試料を用意し、 未知試料と同様に発色させ、吸光度を測定する。 その結果を、吸光度対目的物質濃度図上に線として表しておく。これを検量線という。 求められた検量線を用いて、未知試料の吸光度から、未知試料に含まれる目的物質の濃度を求める。 昔は、発色した溶液の色の濃さを、肉眼で標準試料の濃さと比較したので、比色法と呼ばれた。

実験 チタン石(CaTiSiO5)のTiの吸光光度分析

実験方法

<試料の分解>

チタン石はH2SO4によって分解される(Deer, Howie, Zussman, 1982)。 (HF+ H2SO4による分解が完全であるが、乾固させHFを除くのに時間がかかるので、 今回はH2SO4のみで分解させる。)

Ti濃度 =(    ) ppm (小数点以下一桁まで)

100mlメスフラスコに入っている、Ti総量=(    )g

溶液中のTi4+イオンが、TiO2として存在しているとみなすと
100mlメスフラスコに入っている、TiO2総量=(    )g

この100mlメスフラスコに入っている溶液は、試料を分解し、それをまず100mlの溶液にし、 それから40mlを分取した液を、希釈し発色させて100mlに調節したものである。 したがって、試料中のTiO2総量 =100mlメスフラスコ中のTiO2総量×(100/40) 

チタン石試料中のTiO2 濃度=(    )%  ・・・・ (B)

課題

(A)、(B)のデータを求めよ。

Ti 標準試料溶液の作成法

  1. 市販の1mg Ti/1ml原子吸光分析用Ti標準液(1000ppm)をホールピペットで10ml 取り、200m1メスフラスコ中にいれる。
  2. メスフラスコにH2Oを加え、200mlに合わせる。
    この溶液のTi4+の濃度は (    )ppmである。
  3. 10mlと20mlのホールピペットを用意する。 上の溶液から、0、10、20、40、60mlをホールピペットで取り、それぞれを別の100mlのメスフラスコにいれる。 H3PO4(燐酸)2ml、3%H2O2水 5mlをこの順に、 駒込ピペットとメートルグラスを用いてメスフラスコ中にいれる。 最後にH2Oで100mlに調節すると下記の濃度となる。
    (1ppm = 100万分の1 or 10-6=1×10-6g/1g)    
0 ml0 ppm (blank)
10 mlppm
20 mlppm
40 mlppm
60 mlppm
  

注)標準試料溶液を作成するとき、加えた試薬の濃度が、未知試料と標準試料とで同じになるようにする。 例えば、標準試料の量を200mlとした場合(低濃度の標準試料を作る場合におこりうる)、 燐酸とH2O2の量を、100mlの標準液を作る場合の、2倍量加えなければならない。