容量分析(キレート滴定によるCaの定量)

<容量分析とはどのような分析法か>

酸-塩基の中和反応を例として、容量分析の原理を説明する

0.1mol/lのHClをビューレットにいれる

三角フラスコの中に、総量0.001molとなるよう、NaOH水溶液を入れる
ex(0.1mol/lのNaOH水溶液を(    )ml分取すればよい)

反応式 (    )+(    )→(    )+(    )

この反応式は、HClとNaOHが 数字数字 で反応することを表す。

(中和は指示薬フェノールフタレイン(ピンク→無色)の色の変化から知る)

中和するまでに、0.1mol/l HCl液をxml要した、とする。

mlに含まれる、HClの総物質量=equation

これが、NaOHの物質量と等しい。

HClの物質量mol=NaOHの物質量mol
x=□ml

一般に、溶液間反応にもとづく滴定において、a mol/lの液を滴下し、反応終結までにb ml要したとすると、
equation
である。

溶液間反応の種類

*EDTAによる滴定(キレート滴定)では、分析対象金属イオンことEDTAは、常に1:1で反応する

キレート滴定

 エチレンジアミン四酢酸(EDTA、H4Yと略記)は、水溶液中で金属イオンと反応し、 非常に安定な金属キレート化合物を作る。 キレート滴定は、そのことを利用した容量分析法である。キレート生成反応は、

equation

である。この平衡は、右に大きく偏っている。すなわち、

equation

とMYn-4の存在割合が、Mn+に比べて非常に高い。

したがって、金属イオンを含む試料溶液にEDTA溶液を滴下していくと、 当量点*において、溶液中の[Mn+](濃度)が急激に減少する。 (ほとんどMYn4になってしまう)

*当量点:滴定の際、もとの金属イオンのモル数と、EDTAのモル数が等しくなる時点、終点)
その当量点を、金属指示薬*の変色により認知する。

*金属指示薬:金属キレート化合物の一種で、金属キレート型のときと、遊離型のときでは、色が違う。

変色の原理

EDTA滴定の際、当量点では、Mn+濃度が急激に減少するので、Y4-が過剰となる。 そのため、Y4-は、金属キレート型金属指示薬から、金属をぬきとり、金属指示薬を遊離型にさせる。 そのため、変色する。

キレート生成反応の際、金属イオンとEDTAは1:1で反応し、その比は金属の原子価によらない。 (したがってEDTA溶液の濃度はモル濃度で表す)

実験操作

キレート滴定によるCa2+の分析

(1)試料 ・・・ 沈降製CaCO3(式量:100.09)

試料0.16g(前後)を、薬包紙に正確にはかりとる。(15人分の試料)

小数5桁g、CaCO3のモル数= equation

秤量したCaCO3を、100mlビーカーにいれ、 H2O 20ml、6M HCl 10mlを少しずつ加え、完全にとかす。

この溶液を200mlメスフラスコにうつす。(メスフラスコの内部は濡れていてよい)。 空になったビーカーに、純水20mlをいれて、内壁を洗い、その洗液を200mlメスフラスコにいれる。 この操作を繰り返し、全部で3回行う。

最後にメスフラスコに純水を加え、200ml正確に調節しよく混合する。 200mlの三角フラスコを用意する(内部は濡れていて良い)。

洗浄済みで、内部が乾いている10mlホールピペットを用いて、 200mlメスフラスコ中の溶液10mlを分取し、三角フラスコにいれる。

三角フラスコに入っているCa2+のモル数=equation    …(ア)
*有効数字3桁、@.@@×10-n

この三角フラスコに純水80mlを加え、8M KOH溶液5mlをくわえる。
次に、NN希釈粉末をひとさじ加える。(赤色に発色)

この溶液をビューレットを用いて、0.01M EDTA溶液で滴定する。
赤から青へ変色し、赤みが完全に消えたところ(スカイブルー)が終点  …V0 mlとする。
三角フラスコに入っているCa2+のモル数 equation  ・・・(イ)

(2) 試料 ・・・ 水道水、源池の井戸水、ミネラルウォーター(evianなど)

この試料を、ビューレットを用いて、0.01M EDTA溶液で滴定する。 ・・・・V0 mlとする。
三角フラスコに入っているCa2+のモル数
equation ・・・(ウ)
(ウ)の物質量は、Ca2+として何gであるのか。 □g ・・・(エ)
(エ)が水道水100ml中に存在するのだから、
equation
*小数点以下2桁まで