地学概論I・II「地球の科学2008」付属問題集

第7章 物質の循環

問1.

地球温暖化対策の一つとして,家畜のふんや生ごみ,木くず,農作物などを原料にしてつくる燃料で,発電や自動車燃料に使われる「バイオマス燃料」が注目されている.バイオマス燃料も,燃やせば二酸化炭素を発生する点では,化石燃料と同じである.それではなぜ,バイオマス燃料は温暖化対策の一つとみなされているのであろうか.その理由を200字以内で説明しなさい.

問2.

1900年代初頭にハーバー・ボッシュ法が開発され,人類による工業的窒素固定が可能になり,現在では人為的窒素固定量は,陸上での生物的窒素固定量に匹敵するまでになっている.その結果,食糧増産が可能になったが,一方で様々な環境問題も引き起こしている.窒素供給量増加の結果引き起こされた環境問題を挙げて説明しなさい.

問3.

人為的窒素固定の結果,大気から陸上への窒素移動量は倍加したが,大気中の窒素濃度(窒素ガスN2)はほとんど変化していない.なぜか.

問4.

図7.4-2では,大気への収支バランスがとれていない.多少なりとも見積もりの精度が期待できる除去(沈着と降水による)速度を使って,イオウの大気中での平均滞留時間を求めてみよ.