の単数を求めよ。
の元
が,ある正整数
に対し,
を充たすとき,ベキ零という。
がベキ零ならば
は単数であることを示せ。
例12の環
に対し,単数の全体
を求めよ。
について
であるから
は単数である。同様に,
であるから
は単数であり,
であるから
もまた単数である。単位元
はもちろん単数。
したがって,
の単数は
である。
について
より,
は零因子なので単数ではない。
であるから,
は単数である。
であるから,
は単数である。
より,
は零因子なので単数ではない。
より,
は単数である。以上から,
の単数は
である。
がベキ零ならば,
をみたすような
が存在する。このとき,
なる任意の
に対して
であるから,そのような
を奇数としてとれば,
は単数である。
の単位元は1である。実際任意に
の元
をとれば,
を単数とし,
をその逆元とすると,
であるから,
かつ
である。今,
で
あるから,
より
となる。逆に,
は
ならば,
を逆元にもつような単数であることがわかるから,
である。