III ナショナリズムの謎

「想像の共同体」(アンダーソン)

ナショナリズムのパラドックス
- 歴史家の客観的な目には国民(ネーション)が近代的現象
 (近代以前の起源にも深い関連)
- ナショナリストの主観的な目には古い存在
- 社会的文化的概念としてのナショナリティ(国民的帰属)が形式的普遍性をもつ
- ナショナリズムのもつ「政治的」影響力に対して、哲学的に貧困で支離滅裂

国民(ネーション)とナショナリズムは
「自由主義」や「ファシズム」ではなく「親族」や「宗教」の同類の概念

「国民とはイメージとして心に描かれた想像の政治共同体である-そしてそれは、本来的に限定され、かつ主権的なもの(最高の意志決定主体)として想像されること。」

国民は(イメージとして心の中に)想像されたもの

「国民の本質とは、すべての個々の国民が多くのことを共有しており、そしてまた、多くのことをおたがいすっかり忘れてしまっているということにある。」(ルナン)

「ナショナリズムは国民の自意識の覚醒ではない。ナショナリズムは、もともと存在していないところに国民を発明することだ。」(ゲルナー)