租税と公債の対比

  • 共通点――いずれも公権力体の財源を賄う収入であり、また民間の購買力の政府への移転であり、 政府によるその支出の結果、資源が公共部門へ吸収され消費される。
  • 租税→強制性 公債→自発性
    租税は強制的に徴収されるが、公債は強制的なものではない。 公債を買うか否かは原則として自由。公債発行への抵抗は、増税よりも小さい。
  • 租税→恒常性・固定性 公債→臨時性・弾力性
    租税は、法定・強制だから収入が恒常的かつ確実。 公債は、緊急に多額の資金調達するのに適している。
  • 租税→負担の集中 公債→負担の分散
    租税は負担が課税時の国民にのみ集中する。公債は負担を世代間に分散できる。
  • 租税→民間の消費や貯蓄の削減 公債→自発的だから消費の削減は一般にない。 公債発行量が大きく、かつ民間の投資資金需要が強い場合にはクラウディング・アウト(金利上昇)が生じる。