問題 1

ハブ(HUB)の説明についての記述として、正しいものはどれか。

解答

正解: ア.リピータハブは最大セグメント長を超えて通信する場合に接続する、信号を増幅する機器である。

解説

同一の建物や敷地等の比較的狭い地域で複数のコンピューターやプリンターなどを接続するコンピューター・ ネットワークのことをLAN ( Local Area Network の略 )という。
ハブ(HUB)とは、このLANによって、パソコンなどの端末を放射状(スター型)に配線する際に、中心に配置する、複数の通信線(LANケーブル)を束ねる箱型の集線装置のこと。この装置がLANの中心に位置するところから、HUB(車輪の中心)という名称がついた。

図1 ハブとノードの配置

ハブにはいろいろな種類があるが、大きく分けてリピーターハブスイッチングハブの2種類がある。それぞれハブの本来機能である集線に加えて、リピーターの機能を持つ場合と、スイッチの機能を持つ場合である。
従来、単にハブといえばリピーターハブのことを意味していた。たとえば初級システムアドミニストレータの試験でハブという記述はリピーターハブを指している。ただし、現在はほとんどがスイッチの機能を持つスイッチングハブに切り替わっている。従って現在のハブ=スイッチングハブが一般的である。
リピーターとは、ケーブルを通して送られてくる信号を増幅すするなどして次の装置に送り出す中継装置である(後述)。したがって、リピーターハブも、同じく送られてくる信号を、すべての接続ポートに対して中継して送り出す機能を持っている。
それに対し、スイッチというのは、信号の送り先を識別して特定の接続ポートにのみ信号を送り出す装置のことである。したがって、この機能を持つスイッチングハブは、あて先で設定された機器が接続されているポートにのみ信号を伝送する。つまり、スイッチングハブに接続されている機器は必要なデータだけ送られてくる。これがリピーターハブとの大きな違いである。

図2 スイッチングハブの働き

リピーターハブは、別名、マルチポートリピータとも呼ばれる。リピータとは、電気信号はケーブルを通る中での抵抗によって減衰するが、その信号を増幅する装置のこと。増幅することによって、本来信号が到達できる最大セグメント長(1つのLANを構成する単位をセグメントというが、セグメント長とは、その両端までの距離)を超えて通信することができる。

(イ)「ハブは複数のケーブルをクロス状に結線する機器である。」
→ハブはケーブルを放射状に結線する。ちなみに、放射状に結線する形態をスター型と呼ぶ。

(ウ)「リピータハブでの通信データは、宛先のポートにだけ流れる。」
→宛先だけに流れるのはスイッチングハブ。リピータハブの場合は、あて先以外にも流すためネットワーク上の無駄なパケットを増やす、データの傍受がしやすいなどの問題がある。

(エ)「スイッチングハブはコリュージョン(データの衝突)が生じやすい。」
→交換機のように、送信データの送り先をみて、相手が送信を行っていないときにデータを送るために、データの衝突は生じにくい。